全ては犬の見ている夢だったらいいのに

毒家族の狂ったエピソードと現実的な家族終い

毒母の交通事故介護⑥

noemie.hatenablog.com

 

退院の日、病院から実家まで距離があるし高速にも乗らないといけなかった為、

私は車種指定のタクシー会社でベンツを手配した。

当時はプラス2500円ほどだったかと思う。

ゆったりとした車で、身体の負担も少なく気分も上がるだろうと配慮した。

母も「いい車ね」と満足していて嬉しそうだった。

 

実家に到着すると、父と兄が階段の下で待っていた。

うちは玄関まで長い階段を登らないといけない造りだ。

母はしっかりとした足取りで階段を登り始め、父もそれについていった。

私は母のスーツケースやボストンバッグを含む荷物と自分の荷物、

合計5つの荷物を一人で持っていたが、父は全く手伝おうとせず、

さっさと階段を登っていってしまった。

 

え???

と思ったが、とにかく「母を実家に送り届ける」というゴールまであと少し。

私は何も言わず両手に大荷物を抱えて、階段を登り始めた。

 

すると、兄が背後に回り込み、顔を近づけ

「お前いい加減にしろよ!クソが!」「ぶっ殺す」

などと恫喝し始めた。

 

退院日に難癖つけてきたのを一蹴したのが気に入らなかったのだろうか。

もちろん荷物なんか持ってくれない。私は背後から引っ張られたらどうしようと

震えてきてしまったが、何も言わず階段を登った。

あそこで一言でも言い返したら階段から突き落とされてたと思う。

それくらい殺気立っていた。

そしたら荷物を持っていてバランスを崩した。とか言われてただろう。

悔しさなどより、自分の身の安全が大事だ。

 

ふと上を見ると父はさっさと家の中に入ろうとしている。

私は我慢に我慢を重ねて、なんとか母の荷物を運び終えた。

兄を無視し、母から近所の用事を一つだけ頼まれたのでそれを済ませに行った。

帰ってくると兄は私を睨みつけ、再び怒鳴った。

 

私は無視してさっさと帰り支度をし「じゃあお大事に。帰るね」と

母に言って玄関を出ようとしたところ、兄が追いかけてきて低くドスのきいた声で

「お前の身に今後何か起こるぞ。気をつけてろ!」

と言った。

(この件はあまりに危険なので警察に記録を取ってもらいました)

 

私は全力で走って実家から遠ざかった。

私はやりきった。

今まで何を言われてきても、無表情で何も言い返さない。をやり切り、

母を無事入院させて退院させた。

やれることは全部やった。

 

なのに……

 

プッツリ糸が切れて、涙がボロボロと流れてきた。

泣きながら叔母に電話をした。叔母は「よくやった!本当によくやった。

みんなわかってるから。大丈夫。早く帰って赤ワイン飲んで!」

と言ってくれ、私は「赤ワイン」指定なのが面白かったのもあり、

少し気持ちが落ち着いた。

 

友人にも電話し、家の近くのカフェに来てもらうことになった。

友人も「よく頑張った!えらい!」と褒めまくってくれ

赤ワインで乾杯した。

 

後日、母からあの後、兄が母のスーツケースを足で思い切り蹴り上げたり

「介護なんか俺にもできた」だの「〇〇ちゃん(兄嫁)にだってできた」

などと言って暴れていたと聞いた。

 

どうやら親戚が私のことを褒めまくったのが気に入らなかったとのことだ。

 

じゃあ、やればよかったのに。兄嫁は絶対にやらないよ。

こちらはやらなかった事も全く責めていない。

本当にダサい。

 

 

つづく